無我夢中にサブ50

フルマラソンをキロ4で走る男のブログ

レポ2。

さて、今日は昨日の続き。

後半戦。

少し長文で貴重なお時間を削りますが、最後のレポお付き合いください。

ハーフを1:25:07と神がかったペースで折り返し、後半戦へ。

 20〜25キロ、20:09。

ハーフを折り返し、北条バイパスへ向かう道に入る。

すると…

ものすげー向かい風…

しかも気温が一気に下がる。

さっきまでの温暖なコンディションはどこへ?

前半と後半でこうも変わるか。

当然体感気温も急降下。

大袈裟かもしれないが氷点下くらいに感じた。

手先はかじかみ鼻水が止まらなくなった。

早くこの向かい風区間から逃げ出したいと思うものの、風の影響でうまくペースが上がらない。

ここからは3分後半のラップじゃないときついのに。

また、向かい風でペースを上げようとしたことで少し足に疲労感を感じた。

先行きが不安になった。

レースプラン崩壊の前兆だった。

26〜30キロ、20:28。

25キロでまた折り返し。

向い風強く寒すぎる。

依然上がらないラップ。

すると次第に手先の感覚がなくなってきた。

3キロで手袋を捨てた事を後悔した。

唯一の救いはネックウォーマーを捨てなかったこと。

これが無かったらどうなってただろうかと思うだけでも恐怖を感じる。

25キロで予定していたジェルを取ろうとするも、手先が動かずうまく取れなかった。

補給をパスした。

やべーやべーって頭の中でリフレインしていた。

すると、左脹脛がプルンって痙攣しそうになった…

嫌々、まだ痙攣するには早い。

ここはジェルを諦めて走る事に集中することにした。

だって残り12キロ以上もあるし。

そこからはハムに意識しながら走りなんとか騙し騙し走ってた。

しかし寒い。

風が止んで欲しいと思っていたが、一向に止まなかった。

30〜35キロ、21:16。

30キロの通過2:01:18。

まだまだサブ50の可能性は残ってた。

キロ4切ればいける。

頭の中では考えてたけど、風に奪われる体力と体温。

すると股関節が固まりストライドが狭くなっていく感覚が始まった。

ラップも4:10秒台を連発。

きついきついと思っていた。

そして、この区間には去年足を痙攣した32キロがあった。

俺にとっての鬼門。

ここを何事もなく通過したい。

過去の自分を超えたいと必死で思っていた。

なので、通過前の30キロ過ぎにジェルを摂ると事前に決めていた。

そして、30キロ過ぎジェルを取るため再度フィリップベルトに指を突っ込んだ。

けど、やっぱ手先がかじかんで中々取り出せない。

おまけに前に屈んでいたので、フォームが変わってしまい、両脹脛が痙攣しかけた。

やばいぞ。

俺は去年と一緒か?

でもここまで何してきた。

そう。

朝活だ。

雨の日も風の日も走った。

過去の自分に負ける訳にはいかねぇ。

32キロを通過するイメージを何度もしていた。

30キロ、31キロと進む途中何とかジェルも摂れ精神的に落ち着いた。

そして、鬼門に差し掛かった。

32キロのラップを押す。

通過。

過去の自分を超えた。

よしまだいける。

俺は死んじゃいねぇ。

足がもげても走るんだ。

ここから這い上がってやる。

サブ50するんやと自分を鼓舞した。

ただ、27キロ過ぎからはランニング仲間が遅れており単独走となっていた…

仲間に気を払う余裕はなかった…

申し訳ない気持ちだったが、それよりもきつい気持ちが優っていた。

でも、ここでも朝活で流した汗が支えてくれた。

足は止めなかった。

その一方で、レース前半に流した汗が風に晒され確実に俺の体温を奪っていく。

別の意味でも流した汗は裏切らないと思った。

そして32キロ以降、明らかにラップが落ち始めた。

体力的には限界。

寒い。

でも足を前に進めた。

少しでもサブ50の可能性があるならそれに近づきたいという一心から。

36〜40キロ、21:40。

36キロ過ぎ、コース一番の難所、平田の坂の帰りを迎える。

モンスターが最後にお目見えした。

普段ならこの勾配は何て事ないが、この時はとてつもない急斜面に感じた。

 f:id:toshi1135:20180205045343j:image

足は上がらない。

前に進まない。

風も止まない。

本当にきつかった。

でも一歩一歩確実に足を進めた。

サブ50に向かって。

一度も諦めてなんかいなかった。

そして、平田の坂の中腹に差し掛かった時、コース左脇にランナーが1人倒れていた。

倒れたランナーを囲むボランティアスタッフが

「意識はあるんか?」

などと話しているのが聞こえた。

おそらく低体温症だろう。

顔面蒼白、身体に力は全く入っていない状態が見て取れた。

同じランナーとして、ゴールできない悔しさは痛いほど分かるが、命には変えられない。

そして何とか平田の坂を登り下る。

ここからはウィニングロード。

松山市の中心街に向けて盛り上がってくる。

きついけど沿道の応援は最高潮。

本当この応援を受けるために走ってきたと思える程。

寒い中、沿道の人、ボランティアスタッフ、警備員、みんなが

お帰りお帰り。

後少し頑張れ。

最後まで。

と分け隔たりなく温かい言葉をかけてくれる。

冷え切った体はどうしようもなかったが心は温まった。

応援に頭では応えていたが、体は言う事を聞かない。

でも体一杯に沿道の応援を受け止めてサブ50に向け足を進めた。

そして、38、39キロ…と次第に俺のフルマラソンが終わりに近づいてきた。

体はきついけど、

もう終わるの?

まだ走りたいよ。

って思っていた。

そしたら呼吸がハーハーから

ウゥー

ってなった。

まぁきつかったし、心肺も一杯一杯になったかと思っていた。

するとサングラスの奥から涙が頬をつたっていた。

心肺がきついんじゃなくて泣いていた。

ゾーンに入ってたのかもしれない。

結構嗚咽っぽい感があって、ふと冷静になり、自分に対してフンって鼻で笑い、通常モードに戻した。

やっぱ最後のフルマラソンで感じる所があったんかな?

40〜ゴール、9:23。

そして40キロを過ぎた。

あ〜愛媛マラソンが終わるってずっと思ってた。

沿道は温かい。

そして皆んな笑顔で迎えてくれる。

気持ちは晴れ晴れしていた。

しかし出せるスピードは体のどこにもない。

本当にすっからかん。

足は激烈重い。

そして寒い。

でも足を前に進めた。

まだまだサブ50するぞと意気込んで。

そんな気持ちとは裏腹にどんどん落ちるスピード…

後続ランナーに抜かれまくった。

抜かれたランナーを追い越してやろうと必死で腕を振った。

苦しいけど楽しかった。

大人の駆けっこ。

ラソンの醍醐味。

そうしていたところ…

41キロを過ぎた時だった。

沿道から

「お父さん、頑張れっ」

って声が聞こえた。

一番辛い局面で一番聞きたかった奥さんの声がはっきりと耳に届いた。

もう我慢できなかった。

涙が溢れた。

次男は奥さんに抱っこされ、か細い声で

「お父さん」

って言って手を振ってくれていて、長男は恥ずかしがって声を出したり手を振ってなかったけど、沿道から俺をちゃんと見てくれていた。

最後の最後にきて本当に元気が出た。

この時、タイムはもうサブ50には届かないのは分かってたけど、最後までサブ50を諦めちゃダメだと改めて思った。

今考えるとどーかしてる。

でも、それが俺にできる最大の努力だと思っていた。

家族にこれまで朝活してきた意味を見てもらいたかった。

家族の声を聞いた時、不思議と体が動き左拳を突き上げた。

本当に少しだけだったけど。

そして42キロ通過。

徐々に上がるスピード。

気付けばサブ3ペースまで戻っていた。

まだこんな力が自分に残ってたんや。

最後の引き出しだったんかもしれん。

そして沿道はみんなが祝福してくれている。

お帰り、お帰り。

よく頑張った。

最後まで。

沿道に人の切れ目はない。

ランナーとして至福の時間を過ごした。

そしてゴールに向けて左折。

ラスト。

沿道は左右人で一杯。

まるで俺だけのために応援してくれていると錯覚した。

もう格好なんてどーでもいい。

サングラスを頭の上に乗せバケーションスタイルにしたw

最後の笑顔を写真に撮ってもらいたかったから。

そしてゴールに向けて本当に必死で走った。

フォームは走り始めた頃のようにバラバラだったろう。

そしてゴールゲートに表示された2:53:…を目の当たりにした。

目標達成はできなかった。

でも過去の自分は超えた。

始めてフルマラソンを歩かずに走り切れた。

本当の意味での完走だ。

ゴールゲートをくぐり、左手首にしてたガーミンを止める。

しばらくこのガーミンを動かすこともないだろう。

するとガーミンが、新記録達成!とメダルをくれた。

何ともないいつもの事かだが、朝活で5キロTTとかして、どんどんタイムが伸びていた頃のあの何とも言えない感情が込み上げた。

ガーミンに表示されたメダルがやたらでかく見えた。

久々にこのメダル見たなぁ。

走り始めた頃は一杯もらってたのに。

いつの頃からもらえなくなってたなぁ。

とふと思った。

f:id:toshi1135:20180205121503j:image

するとまた泣きそうになった。

でもゴール後の花道には左右にボランティアスタッフの女子高生がいたので、泣く訳には行けない。

おっさんの意地。

汗を拭く振りをして、両手で顔面を覆い踵を返す。

そしてコースに一礼。

どうにか泣きそうになるのを押さえたかったから。

そして心の中でこれまで有難うと言った…

すると泣きそうな感じが収まったので、その後花道へ向けて踵を返した。

ボランティアスタッフの女の子がタオルをかけてくれ、チップを回収してくれた。

汗だくのおっさんなのに嫌な顔一つせず、何も躊躇することなくやってくれた。

挙句、完走記録証を発行場所まで左右にボランティアスタッフの女の子達が並んでくれていた。

皆んな寒いのか左右の肩を上げながら。お疲れ様です。と言いなが手袋もしてない素手を上げてくれていた。

途中、申し訳なくなり、花道の中央を歩き、手を上げないでいいようにしたが、皆んな上げていた。

ありがとう。ありがとう。と何回も言った。

そして、完走記録証をもらい、改めてサブ50できなかった現実を受け止めた。

悔しかった。

でも、これが俺の実力だったし、今持ってる力は全て出せた。

そして何より42.195キロが楽しくて仕方なかった。

走り始めた頃の気持ちってこんなんだったなぁと思った。

楽しくて朝早起きするのも全然辛くなかった。

本当にこの2年弱、走る事に無我夢中だった。

そして、最後に地元のレースで沢山の人から応援してもらって、家族にも応援してもらった。

職場の人はランナーズアップデートでずっと俺を追いかけてくれてた。

しかも昨日の朝刊にサブスリー位までのランナーの名前が掲載されていたが、それをスクラップして俺の名前にマーカーして事務所の目立つ所に貼っていただいた。

本当感謝しかない。

そして父親は

「お疲れ様。去年より3分も速くなったな。」

と言ってくれた。

いつもより声は弾んでいたと感じたし、何より去年のタイムを覚えていてくれてたことが嬉しかった。

今回目標達成できなかったし、悔しいのは当然。

でも今の自分にとって最高のレースができた。

だって一度たりともサブ50を諦めることなく出し切ったんだから。

目標には届かなかったけど胸を張りたい。

ラソンは面白い。

ラソンが大好きだ。

本当にそう思った。

 第56回愛媛マラソンここに完結。

 

そして、愛媛マラソンを走れたことでこんなにステキな写真を撮ることができた。

f:id:toshi1135:20180205121526j:image

f:id:toshi1135:20180205121536j:image

今回はタイム達成という意味では勝者にはなれなかった。

けど、諦めない心、という今後人生の糧を得たことは間違いない。

ラソンと人生はよく似ている気がする。

本当にありがとう愛媛マラソン

 

長文、お付き合いありがとうございました。

辛い時、皆さんが応援してくれてると思いながら走ってました。

本当に感謝です。

ありがとうございました!

愛媛マラソンは日本一の大会です。

是非とも機会があれば温かい伊予路を走ってみてください。

そして最後に。

流した汗は裏切らない。

以上。